龍が飛翔する狐の山 稲荷山 伏見稲荷
こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。
お稲荷さんといえば、狐のイメージが強すぎて、本来の神さまのイメージが薄れている感じが私はします。
狐は、神さまのお使いです。ということは、神さまがいるわけで(笑)、アニメなどで有名なウカさまと呼ばれるウカノミタマノミコトが、稲荷の神さまです。
京都の伏見稲荷の場合、このウカさまだけでなく、あわせて五神が稲荷の神さまとして祀られています。
サタヒコノオオカミ、オオミヤノメノオオカミ、タナカノオオカミ、シノオオカミで、
サタヒコノオオカミは、猿田彦大神、オオミヤノメノオオカミは、天鈿女大神のことです。
ちなみにタナカノオオカミは龍神、シノオオカミは四季の神(諸説あり)とされます。
いろんな神々の名前が出てきますが、私はこの稲荷信仰の本質は、龍神への信仰だと考えています。
以前、あるイベントで聖地学で有名な植島啓司先生(聖地の想像力、日本の聖地ベスト100など日本を代表する宗教人類学者)とお話する機会を得たのですが、
その時、お稲荷さんの話があって、稲荷信仰の本質は龍神信仰ですよねという見解で一致しました。
そう、伏見の稲荷山は、龍のいる山なんです。だから、近世になって飛躍的に増えたお塚には、何々龍王という表記を数多く目にします。
稲荷山の多くの滝場の存在も、龍を思い出させる一つの仕掛けなのです。
そう考えると、人気の伏見稲荷の千本鳥居も、なんとなく朱色の龍の体に見えてきませんか?
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