山から感じれる龍(おろち)の繋がり 祇園祭 龍の都へ
京都は、「山河襟帯(さんがきんたい)の地」とされ、山に囲まれた地として知られています。つまり、山とは切っても切れない関係で、その山から生み出される水から、「山紫水明(さんしすいめい)の地」とも呼ばれています。
この「山河襟帯」というのを作っているのが、東山、北山、西山です。
東山は、東山三十六峰と呼ばれる美しい山々です。次に北山は、丹波高原に連なる深い山々です。西山は愛宕山のような目立つ山もありますが、全体的になだらかな山々です。
ところで、南は?南山は?という疑問がわきます。こういう場合、大体の答えが、南には巨椋池という四神相応の朱雀にあたる場所があり、南は開けている・・・そういう答えです。男山もありますが、少し低く独立した山塊ですから、南山ではないでしょう。
しかし、ここで古代の人々の目線、感覚から考えると、あっこの山だ、この山塊だという山々がかなり遠くに眺めれます。その山は、
奈良と大阪の県境にそびえる葛城山です。
えっ?遠くないですか?というご意見を聞きますが、実は晴れた日には京都の高層建築から見えるんです。ということは、たぶん古代は見えていたと考えられます。
葛城山といえば、京都では祇園祭後祭の役行者山(えんのぎょうじゃやま)が関係します。
役行者と葛城神と一言主神がご神体人形として登場するこの祇園祭の山は、役行者が一言主神を使って葛城と大峰の間に、橋をかけたという伝承から作られた山です。
下鴨・上賀茂神社のカモ氏がいた鴨川上流の地、そのカモ氏の元地である高鴨神社などがある奈良の葛城山麓、高天ヶ原伝承の地がある場所と京都の繋がりを祇園祭の山から感じれます。
龍(おろち)への信仰は、山の尾根(オ)の(ロ)の霊力(チ)として、山の風景から感じ取れるのです。
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