カモが群れるカミのカモ 龍の都へ
鴨川の支流、賀茂川と高野川は、古代から数多く氾濫を起こしました。
氾濫によって出来た川の氾濫原には、多くの礫岩が積み重なり、谷あいの湿地は、そういった礫岩で堰き止められたといわれます。
やがて、堰き止められた池の周辺に湿地帯が広がり、弥生時代が始まるくらいには、深泥池のように浮島が現れたとされます。
現在、私たちが見ている鴨川及び周辺は、このような自然環境の移り変わりを経て、現在に至っています。
そこに龍神信仰、水神信仰、雷神信仰が生まれ、やがて貴船神社、上賀茂神社、大田神社、御陰神社、下鴨神社といった神社の建物が出来ていったのでした。
この鴨川(賀茂川、高野川)の名前のカモには、様々な語源説があります。
川を上流にさかのぼった賀茂族の移動の道筋に関係し、カモ(賀茂)・カミ(神)・カミ(上)から生まれたという有力な説がありますが、
私としては神の使者という水辺の鳥であるカモ(鴨)から生まれた説が有力というか好きですね。
なんといっても古代、川の氾濫で生まれた氾濫原から出来た浮島あたりに群がる鴨(カモ)たちを想像すると、私としてはそれが語源であってほしい気がします。
カモに関しては、その表記にもいろいろあります。つまり、鴨、賀茂、加茂。現在は、上流が賀茂(川)で神社も上賀茂神社、下流が鴨(川)で神社も下鴨神社ですが、
例えば地元の中学は加茂川中学ですし、
街道名は加茂街道ですし
なかなか混沌とした状況です。でもこの混沌としたカモが、龍の都京都にとって実は中心となる場所なのです。
龍の都へ 京都ツアー