五つの山に火の霊力 龍の都へ
京都では、8月16日の夜、五山送り火が行われます。「大」「妙法」「舟形」「左大」「鳥居形」の五つが、それぞれの山に灯されます。
「大文字」 (大文字山(如意ヶ嶽。20時00分点火)
「松ヶ崎妙法」(西山と東山。20時05分点火)
「舟形万灯籠」(船山。20時10分点火)
「左大文字」 (左大文字山。20時15分点火)
「鳥居形松明」(曼陀羅山。20時20分点火)
山に火が灯されるというこの五山送り火の行事は、仏教の行事ですが、山と火の関係を考えると、興味深いことが考えられます。
火(ひ)は霊(ひ)つまり、霊力を表します。それは、山の霊力を表すのです。
山の霊力は、オ(尾根の尾)ロ(~の)チ(霊力)、つまりオロチです。オロチは大蛇、つまり蛇神を表します。
そして、火は、そのオロチからほとばしる血を表すとされます。
山に火を灯すとは、オロチ(山)の血がほとばしっている状態、つまり大いなる生命力があふれ出している、そんな状態です。
龍(オロチ)の都、京都の五山に灯される火、それは、民俗学的に捉えると、山(オロチ)のほとばしる生命力を表すと私は考えます。
夏に行われるこの火の行事、火だけでなく五つの山(如意ヶ岳・西山と東山・船山・左大文字山・曼荼羅山)を意識して観ると、面白い気付きが生まれると思います。
龍の都へ 京都ツアー