かんなびな景色 川から山へ 龍の都へ
古代、神社には建物がなく、川で禊をし、山を眺め拝んでいました。そういう川を神奈備川、そういう山を神奈備山と呼ばれました。神奈備とは、かんなびと読み、「神のほとり」という意味です。
神奈備山という言葉はよく知られていますが、神奈備川という言葉は一般的ではありません。でも
「神のほとり」と「川のほとり」という言葉があるように、「ほとり(畔)つながり」ですから、
やはり、川はとても重要なのです。
京都の場合、それはとてもはっきりしています。例えば、古代、京都の地に勢力があった賀茂氏(カモ氏)は、
桂川と鴨川の合流点にまず居住し、さらに賀茂川と高野川の合流点から上流を目指し、そして、御手洗川と御物忌川の合流点に到達したとされます。
つまり川を遡ることがとても重要なのです。では、なぜ川を遡っていったのかという疑問がわきます。下っていくのではなく遡っていったのかです。
その答えのヒントが、神奈備山、つまり山の存在です。その山が景色の中に見えていたと私は考えます。
実際、京都の南部から京都の北山方面を眺めると、東北に比叡山、西北に愛宕山が眺められ、高原のような丹波山地の山塊が観れます。とても絶景で、南のほうからやってきた古代の人々も、その山を目指していたのが実感できます。(写真は、嵐山から眺める比叡山方面)
つまり
京都は、その神奈備川と神奈備川の間に社があり、神奈備川の上流に神奈備山がある場所です。そして、その川と山の間に、古代から人々が眺めてきた素晴らしい景色があるのです。
そういった素晴らしい景色を眺めてみませんか。
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