海の民の祝祭空間 祇園祭 龍の都へ
しかし、神輿はともかく、八坂神社(祇園社)の神さまであるスサノオノミコト(かつては牛頭天王)が、山鉾にはほとんど祀られていない、不思議な祭です。
では、どの神さまが多いかと見ていくと、住吉の神々です。
船鉾、大船鉾、占出山、鶏鉾
住吉の神々とは、大阪の住吉大社の神々です。
底筒男命、中筒男命、表筒男命(日本書紀表記)と呼ばれる住吉三神、海の神々です。
そして、神功皇后(じんぐうこうごう)
伝説の三韓征伐を行なった女神で、海の女神と呼んでもいいかと私は思います。
住吉の神々が、海のない京都の祭におられるのは不思議です。祇園祭が盛んだった時期、大阪の住吉大社のチカラが強かったということもあると思います。
同じことが、一寸法師のお話でもありますから(一寸法師は住吉明神の子ども)。
不思議というより、祇園祭は、海の神々の祭だと私は考えています。もっと正確に言うと、
海の民の祭の痕跡を残す祭礼
つまり、祇園祭は海の民の祝祭空間なのです。
船鉾そして大船鉾を中心とする大船団が、北極星が輝く北を目指す壮大なシーン、まさに海の民が活躍するシーンなのです。
祇園祭の独自の見方、まだまだ続きます。
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