借景の庭に古代を眺める 龍の都へ
古代(昔)と今の眺望についての大きな違いは、建物の数と高さだと思います。
京都は、景観条例により高さ規制がされていて、他の都市(百万都市)に比べ、比較的高さが低いですが、それでも古代の景観とは、全く異なります。
人は、視線が遮られると、思考が変わるといわれています。例えば、借景というのがありますが、このことがすごくわかりやすい例だと私は思います。
京都で借景といえば、有名な円通寺の借景があります。私は、この近所で生活していたので、とても馴染みが深い場所です。
近景(生垣)と中景(樹林)と遠景(比叡山)の組み合わせは、独特な空間を作り出し、見る者を圧倒する、そんな場所です。
この円通寺の庭を見た人の思考は,古代(昔)の人々の思考に近いと私は思います。つまり、近景、中景、遠景という組み合わせもありますが、生垣を除き人工物が全く見えないという点から起きる思考です。
自然だけで構成される自然の景観、風が吹き木々が揺らぐ、そして微動だにしない雄大な比叡山。
まさにそれは、古代人と現代人の思考の一致を生み出していると私は思います。だから、私たちはその場所へ行くと、なんとなく懐かしい気分になり、ほっと癒されるのです。
こういった思考で、絶景を眺めると、新たな何かを感じれるのではと私は思います。私のガイドツアーでは、こういった思考で絶景を堪能できる場所をご案内していきます。
龍の都へ 京都ツアー