私だけの守り神

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。このブログは、2020年から書籍とリンクしてスタートさせる、youtube「神社探究Tube」の素材ブログです。このブログを発展させ、「神社探究Tube」では、さらに詳しくお伝えしていきます。2020年4月スタート予定。

こわーいナーガのお話  龍の都へ

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。

龍への信仰を龍神信仰といいますが、意外と知られていません。

 

特に西洋の邪悪なドラゴンのイメージと重なってしまったりして、龍≒悪という考えを持ってられる方もおられるかもしれません。まあ、西洋のドラゴンは姿が全く東洋の龍とは違いますが(笑)

 

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龍神信仰のルーツは、インドのヒンズー教や仏教に登場する蛇神ナーガへの信仰とされます。

 

ナーガという名前が、ながーい蛇を連想させますね(笑)

 

そのナーガ、姿は頭に五匹の蛇を飾り、顔は人間で、身体は猛毒を持つインドコブラをイメージしたグロテスクな生き物です。

 

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ちなみにオスはナーガ、メスはナーギーと呼ばれたそうで、群れて行動したとされます。

 

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このグロテスクな生き物に信仰が生まれたのは、ナーガ(ナーギー)が、天気を司るからだそうです。

 

この天気を司るという点が大切です。まさに日本における龍神信仰と似ていますね。つまり

 

人間がナーガ(ナーギー)を怒らせると雨が降らず、その怒りが鎮まれば雨が降るというわけです。

 

しかし、よく考えると日本の龍神信仰とちょっと違うなあという感じもします。

 

そう、インドでが洪水より雨が降らない旱魃のほうが恐ろしく、雨が降らない≒ナーガ(ナーギー)の怒りであるという点が、少し日本と違う気がします。

 

日本の場合、龍が怒り暴れて洪水となり・・・・という感じですから・・。

 

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でも天気を司るという点では、一致しています。

 

さて、この蛇神ナーガ(ナーギー)への信仰が、やがて中国で龍信仰を生み出します。続きは、また後日のお楽しみで。

 

龍を知って龍の都へ

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龍が飛翔する狐の山 稲荷山 伏見稲荷

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。

お稲荷さんといえば、狐のイメージが強すぎて、本来の神さまのイメージが薄れている感じが私はします。

 

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狐は、神さまのお使いです。ということは、神さまがいるわけで(笑)、アニメなどで有名なウカさまと呼ばれるウカノミタマノミコトが、稲荷の神さまです。

 

京都の伏見稲荷の場合、このウカさまだけでなく、あわせて五神が稲荷の神さまとして祀られています。

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サタヒコノオオカミ、オオミヤノメノオオカミ、タナカノオオカミ、シノオオカミで、

サタヒコノオオカミは、猿田彦大神オオミヤノメノオオカミは、天鈿女大神のことです。

 

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ちなみにタナカノオオカミは龍神、シノオオカミは四季の神(諸説あり)とされます。

 

いろんな神々の名前が出てきますが、私はこの稲荷信仰の本質は、龍神への信仰だと考えています。

 

以前、あるイベントで聖地学で有名な植島啓司先生(聖地の想像力、日本の聖地ベスト100など日本を代表する宗教人類学者)とお話する機会を得たのですが、

 

その時、お稲荷さんの話があって、稲荷信仰の本質は龍神信仰ですよねという見解で一致しました。

 

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そう、伏見の稲荷山は、龍のいる山なんです。だから、近世になって飛躍的に増えたお塚には、何々龍王という表記を数多く目にします。

 

稲荷山の多くの滝場の存在も、龍を思い出させる一つの仕掛けなのです。

 

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そう考えると、人気の伏見稲荷の千本鳥居も、なんとなく朱色の龍の体に見えてきませんか?

 

神社を巡る京都ツアー 龍の都へ

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美しさの後ろにある恐怖  龍の都へ

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。

傾国の美女という言葉があります。同じ意味で、傾城の美女という言葉もあります。

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傾国つまり国を傾ける、傾城つまり城を傾ける、そういう美女です。つまり、その存在自体が、国や城を滅ぼすというわけです。

 

私は、この傾国の美女、傾城の美女こそ、龍女の中の龍女だと捉えています。

 

これは、その美貌によって、国王や城主が溺れさせ、国や城を滅ぼす(結果的に滅びる)女性を表した言葉で、龍女の陰の一面を表しているのです。

 

歴史上の人物だいうと、私が一番、このパターンだと思った女性は、あの淀君淀殿)です。

 

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絶世の美女だったかどうかはわかりませんが、太閤秀吉が彼女に溺れたのは有名なお話です。秀吉が溺れたと同時に、秀吉と豊臣家の状況は悪化していった、そして、最後には豊臣家は滅び、大阪城は落城します。

 

まさに傾城の美女です。

 

淀君の淀という名前、まさに水に関係する名前で、なんとなく私は龍女を感じます。

 

ちなみに、淀君のお母さまは、絶世の美女として知られる、お市の方、そう信長の妹です。嫁いだ浅井長政、そして柴田勝家、いずれも落城して亡くなっています。

 

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まさに母も傾城の美女でした。そして、琵琶湖のそばで、亡くなっているのが、少し、いやとても気になるところです。なぜなら、

 

琵琶湖は龍の一族が棲む場所だからです。

 

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ここまで書くと、龍女というのは怖い存在だと思われるかもしれません。だから、昔の人々は、口伝えに伝えてきたのだと私は思うのです。

 

神社を巡る京都ツアー 龍の都へ

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鏡の絵馬に秘められた乙女心  下鴨神社

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。

下鴨神社がある糺ノ森の南に、河合神社という神社があります。

 

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なんでも日本一の美麗の女神である玉依姫さま(初代神武天皇の母)を祀る神社で、美人祈願など、まさに女性のための神社として知られ

 

境内は、女性で賑わっています。その女性たちのお目当てが、

 

鏡絵馬(かがみえま)

 

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鏡絵馬は、絵馬に描かれた顔を最初に自分の顔に見立て、美人になれるよう願いを込め、お化粧をして奉納する絵馬のことです。

 

鏡は女性の必需品だから願いを込めると同時に、鏡(かがみ)という言葉に一つの秘密があるのではと私は考えます。

 

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そもそも鏡(かがみ)は中国伝来のもので、「かがみ」と呼んだのではなく、「きょう」と呼ばれました。

 

それが「かがみ」と呼ばれたのは、かか(蛇)の目として、古代の人々が考えたからです。かか(蛇)の目≒かかめ→かかみ→かがみ (諸説あり)

 

蛇の目と見立てるものとして、鏡は「かがみ」と呼ばれ、やがて信仰の対象となったのでした。

 

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その鏡の絵馬に願いを込める!それは、古代の女性が蛇に霊力を感じたのと同じ感覚を持ったことを表すのだと私は思います。

 

さあ、これが龍女と実はとても関係するのではと推理します。ブログでは、このあたりも、もっと解き明かしていこうと思います。

 

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それにしても女性の美人になることへの思いは、境内の絵馬を見れば、一目瞭然です。古代から続いた美への願い、これからもずっと続いていくでしょう。

 

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とぐろを巻く蛇 そんな姿の山  上賀茂神社

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。

上賀茂神社は、葵祭の行列のゴール地点。広大な境内には川が流れ、森があり、朱塗りの鳥居が美しい場所です。

 

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参道は境内を一直線に伸び、そうかと思うとジグザグに曲がっている不思議な空間でもあります。

 

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この神社、日本の古代の神社がそうであるように、遥拝する(拝む)山があります。いわゆる神奈備山(かんなびやま)です。ご神体山ともいいます。

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上賀茂神社神奈備山は、有名な神山(こうやま)です。神の山と書くように、まさに神の降りられた山なのです。

 

この山、京都市内からもよく見える円錐形の秀麗な山で、その前に横たわるようにある片岡山(片岡:あの紫式部が愛でた岡)とともに、私のお気に入りの山々でもあります。

 

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さて、この神山の円錐形というカタチがポイントです。

 

円錐形は、蛇のとぐろだと私は捉えています。そして、そのとぐろの頭の部分、つまり山頂に、稲光が走って雷が落ちる、この光景が、蛇がかま首を持ち上げて戦闘態勢になった光景と考えています。

 

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そして、それはまさに大蛇つまり龍なのです。龍が神山の山頂に現れると、雨が降り、鴨川が水で溢れ、耕した水田が潤う・・・そんな感じです。

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これが、古代の人々の神との関係を具体的に表している光景かもしれません。

 

本日は、葵祭(5月15日記)。この龍の神さまに、感謝する祭りが始まりだと私は思います。

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京都は龍の都 神社を巡る京都ツアー

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華やかな葵祭が向かう先 龍の都へ 

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。

下鴨神社上賀茂神社の祭礼である葵祭都大路を平安装束をまとった人々が、行列をなして京都御所から下鴨神社、そして上賀茂神社へを歩く平安絵巻として知られています。(毎年5月15日に行われます)

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実は葵祭は、その前後に多くの神事があり、この歩く平安絵巻は「路頭の儀」と呼ばれる儀式を再現したもので、

 

天皇のお使いである勅使が、幣帛を神社に届けるという儀式を再現したものなのです。

 

この歩く平安絵巻である葵祭は、その華やかさから、沿道には多くの人々がつめかけ、見られる祭として発展し、現在でも多くの人々が訪れる日本を代表する祭りなのです。

 

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この華やかさは、華やかだからこそ神が喜ぶという考えから始まったとされ、

 

その神こそが、下鴨・上賀茂神社の神々、特に上賀茂神社の神さま

 

賀茂別雷神

 

かもわけいかずちのかみ と読みます。

 

賀茂の特別な雷の神という意味で、若い特別な雷神さまのことです。雷神といえば、俵屋宗達風神雷神図屏風の雷神を思い浮かべる人も多いと思いますが

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この賀茂別雷神龍神さまなんです。それも若い、力強い、生き生きとした龍神さまです。

 

上賀茂神社には、本殿の東側に新宮神社というお社があります。月に2回(1日・15日)しか開かないお社です。

 

そのお社で龍をモチーフにした御朱印が頂けます。なかなかのお勧めの御朱印で、龍が描かれています。その龍こそ

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賀茂別雷神 なのです。

 

京の都は、龍の都  龍の都へ

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龍女から変化した元気印の鈿女(ウズメ)

こんにちは、神社探究家の浜田浩太郎です。

アメノウズメノミコトという神さまを知っていますか?

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この名前を知っている人は、まあまあの神さま好きかもしれません(笑)でも、天の岩戸の前で踊った女神さま、それも、ちょっとあられもない姿で踊った神さまといえば、

 

あっ知ってる!という人も多いでしょう。

 

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そのアメノウズメノミコト、有名なサルタヒコオオカミの奥さまです。(サルタヒコオオカミは、猿田彦大神、伊勢の神さまであり天狗のような長い鼻を持つ男の神さま)

 

このご夫婦の神さま、それを1つの象徴として考えると、天狗の象徴です。

 

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アメノウズメノミコトは、相手を喜ばし相手を誘い相手に活力を与える存在なのです。

 

実は、このアメノウズメノミコトを象徴化した鈿女(ウズメ)も、龍女から進化、変化したと私は考えます。

 

もちろん、進化、変化したわけですから、もう龍女ではありません。より行動的に、そして相手に陽気なエネルギーを与える、そういう存在なのです。

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但し、非常にわがままでマイペースなところがあります。その点が、龍女の痕跡がなくなった部分で、鈿女(ウズメ)らしいとこでもあります。

 

神話の世界でも、猿田彦大神をコントロールしただけのことはありますね。さすが、猿田彦大神の奥さまです。

 

さてこの鈿女(ウズメ)、龍女から進化した象徴です。進化して変化した天狗の象徴なのです。

 

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天狗の象徴?私が提案する民話や神話上の五つの象徴の一つです。

 

神社の不思議を知り、自分に合った神社に出逢う 龍の都へ 

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